Kanae's Book Journal Occasionally with Movies

読書感想文とときどき映画。

<The 36th Book> 快楽上等!3.11以降を生きる

上野千鶴子氏と湯山玲子氏という、パワフルで鮮烈な二人の対談集。 体感として、保守的な日本人が多い村社会バンコクの古本屋で、こんなにも リベラル満載な本が見つかると思いませんでした。笑 本作を手に取って読んで、古本屋に売った人はどんな人だろうか…

<The 34th & 35th Book> 授乳 & マウス

本年の読書活動の調子はイマイチの滑り出しです。 個人的には絶望を感じざるを得ない二作品でした。 「授乳」「マウス」(講談社文庫)著:村田 沙耶香 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000205352 https://bookclub.kodansha.co.jp/product?i…

<The 33rd Book> 彼女の名前は

次年含め、今後も声をあげよう、このブログを続けていこう、と思わせてくれる、 今年最後に読了するにふさわしい作品でした。 「彼女の名前は」(筑摩書房)著:チョ・ナムジュ 訳:小山内 園子、すんみ https://www.chikumashobo.co.jp/product/97844808321…

<The 32nd Book> ガーデン

少年時代に過ごした、とある南国の自宅の庭にずっと恋焦がれる雑誌編集者が、 周囲の女性たちとの様々な関係から、自分を見つめなおしていく物語。 自我がない、自我をなくして、溺愛している植物のように生きようとしている主人公。 植物の描写も、人物描写…

<The 31st Book> PACHINKO (パチンコ)

オバマ元大統領も推薦しているという宣伝文句に手を取った本作。 在日コリアンの壮大な家族ドラマとなっています。 在米コリアンが英語で執筆した本作ですが、在日コリアンの小説です。 ぜひとも日本人の多くに読んでほしい。 知らないことも、考えたことも…

<The 30th Book> 不実な美女か 貞淑な醜女(ブス)か

通訳という仕事について書かれているエッセイの本作ですが、書いてあることのほぼ 全てが私の思考、コミュニケーションスタイルのエッセンスにまつわるものでした。 感銘を受ける、といことを久々に体感した本かもしれません。 とにかく内容が濃い。 一字一…

<The 29th Book> フラニーとズーイ

やはりもっと若い頃に読んでいればよかったなあと思った作品でした。 とはいえ、今読んでも、日々感じていることが、テンポよく言語化されている気がして また数年後に読んでも、何かしら発見があるかもしれない可能性も感じられました。 「フラニ―とズーイ…

<The 28th Book> あのこは貴族

東京って世界の大都市トップ3にはおそらく入っていそうだけれど、 そんな大都市で生活しても、見えるものは、人によって全然異なるのでしょう。 東京に生きるアラサー女性たちの物語です。 「東京」がたくさん描かれている作品で、少し恋しくなりました。 「…

<The 27th Book> 男尊女子

共感、納得、自己分析の嵐となる作品でした。 本ブログを始めて、初めて涙を流しながら書くことになりました。 「男尊女子」(集英社文庫)著:酒井 順子 https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-744112-3 日本におけるフェミニズ…

<The 24th-26th Book> あやかし草子・黒武御神火御殿・きたきた捕物帖

宮部みゆき氏の作品は多く読みますが、時代小説は全て読んでいたりします。 「あやかし草子」(角川文庫) 「黒武御神火御殿」(毎日新聞出版) 「きたきた捕物帖」(PHP) 著:宮部みゆき https://www.kadokawa.co.jp/product/321909000206/ http://mainich…

<The 23rd Book> メガネと放蕩娘

私が幼い頃はもう既に個人商店の連なる商店街は、たいぶ寂れかけていました。 「メガネと放蕩娘」(文春文庫)著:山内 マリコ https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167915087 市役所勤めのタカコは、とある地方都市の商店街にある、実家のウチダ書店…

<The 22nd Book> 丸の内魔法少女ミラクリーナ

表紙が可愛いのと題名から、多少メルヘンチックな本かと思っていたら、 全くセンセーショナルな本でした。 「丸の内魔法少女ミラクリーナ」(角川書店) 著:村田 沙耶香 https://www.kadokawa.co.jp/product/321903000373/ 芥川賞を受賞した「コンビニ人間…

<The 21st Book> 書店主フィクリーのものがたり

本の無い人生は考えられません。 「書店主フィクリーのものがたり」(早川書房) 著:ガブリエル・ゼヴィン 訳:小尾 芙佐 https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013723/ この間、ラザニアを作りました。ホワイトソースもミートソースもお手…

<The 20.5th Book> 番外編:Pen (いまこそ、「ジェンダー」の話をしよう。)

今回は番外編です。感情的に書きなぐってしまいました。 「Pen」(CCCメディアハウス) https://www.pen-online.jp/ わざわざ日本から取り寄せてしまいました。雑誌はめったに読まないのですが。 ファッション雑誌とか、最後に自分で買ったのは15年くらい前…

<The 20th Book> その手をにぎりたい

淡々と1週間を終えること、それが最近の目標です。 「その手をにぎりたい」(小学館文庫)著:柚木 麻子 https://www.shogakukan.co.jp/books/09406399 以前、「BUTTER」を読んでから、手に取るようになった柚木氏の本。 あの後も何冊か読んだのですが、感想…

<The 19th Book> 手のひらの音符

お出かけの機会が嬉しいことに増えてきました。 早く近隣国との国交が再開すればいいのですが、そんな簡単にもいきませんね。 「手のひらの音符」(新潮文庫) 著:藤岡 陽子 https://www.shinchosha.co.jp/book/120561/ ファッションデザイナー、45歳の水樹…

<The 18th Book> 第七官界彷徨

最近、眠りが浅く、いやに早起きなのは、加齢なのかストレスなのか。。。 前者だと思っていたのですが、後者の可能性を指摘されて、もやついています。 「第七官界彷徨」(河出文庫) 著:尾崎 翠 http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309409719/ 1930年代…

<The 17th Book> 留学

規制緩和が徐々にされ始めました。 夜間の外出禁止令も2週間ごとに1時間ずつ短くなっているのですが、なんと、 朝方4時から外出可というのが3時になる今回の規制緩和には思わず文句たらたらです。 23時から朝3時、、、なぜ24時にしてくれなかったのでしょう…

<The 16th Book> 償いの雪が降る

飲食店が一定の距離を守っての店内飲食をできるようになりました。 在宅勤務を始めて1.5カ月近く経ち、最初はあれだけカフェや買い物に出かけたくて 手持無沙汰で、何より寂しかったのですが、今となっては結構お家で楽しい。 わたし、ちょっと成長した。 「…

<The 15th Book> 裸の華

タイでは普通にドリアンが丸ごとスーパーで売ってるんですね。 斧みたいな、鉈みたいなのがないと割れなさそうですが。 美味しいドリアンが食べたい今日この頃です。 マレーシアではドリアンが熟成して地面に落ちてから収穫するそうですが、 タイでは、木に…

<The 14th Book> 舌を抜かれる女たち

きっとすごく外は暑いのだろうけど、(タイはいま夏だそうです) 太陽光の下ではしゃぎたくなります。こんなことを言える私は恵まれていますね。 「舌を抜かれる女たち」(晶文社) 著:メアリー・ビアード 訳:宮崎 真紀 https://www.shobunsha.co.jp/?p=55…

<The 13th Book> 女であるだけで

前回書いたカッコウの声が今日、バンコクでも聞こえました。 外に出られない、外に出られたとしても気晴らしができないのはなかなか辛いですが、 自然が戻ってきているのかしら。それは少し喜ばしいかもしれない。 「女であるだけで」(国書刊行会) 著:ソ…

<The 12th Book> ザリガニの鳴くところ

最近、バスタブに毎日浸かるようになりました。冷房で冷えますからね。 むくみは取れます。でも、肩凝り首凝りは悪化しています。。。 外の空気は吸いたいですが、家以外の屋内に入るのは少しもう怖いですね。 「ザリガニの鳴くところ」(早川書房) 著:デ…

<The 11th Book> 愛という名の支配

どうしても厭世的な気分が抜けません。生理だからかな。情緒不安定。 ずっと在宅で、人に会いたいのに、人に会ったら、(ウイルス的な意味だけではなく) あまり人へも自分へも良い影響を与えないような気がするここ数日です。 「愛という名の支配」(新潮文…

<The 10th Book> 出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと

東南アジアもいよいよ鎖国のようになって参りました。 なんだか行動が制限されるって、モヤつくし、気が滅入りますね。 「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」 (河出文庫)著:花田 菜々子 http://www.ka…

<The 9th Book> The Time Keeper

バンコクでは、大気汚染がマシになり、やっと外を歩けると思ったら、酷暑の季節が やってきたとのこと、、、 しかもどうやら嵐(スコール)が来そうな天気で、しばらく今いるカフェに 足止めされそうな予感がしています。 「The Time Keeper」(Little, Brown…

<The 8th Book> 空気を読む脳

やはり外食続きよりは、自炊のほうがお腹の調子がいい気がします。 料理好きでも、上手でもないのに、なぜかキッチンに立つことが多いのが不思議です。 「空気を読む脳」(講談社+α新書)著:中野 信子 http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=000031…

<The 7th Book> 最初の悪い男

コロナウイルスが猛威を奮っているようですね。騒ぎすぎなのか、本当に脅威なのか。 私は4月にまた海外旅行へ行きたいと思っているのですが、頓挫させることにならない ことを願ってやみません。 「最初の悪い男」(新潮社) 著:ミランダ・ジュライ 訳:岸…

<The 6th Book> BUTTER

先週末はスリランカに行きました。 バンコクにもあの水と空気の綺麗さがあればいいのに。 「BUTTER」(新潮文庫) 著:柚木麻子 https://www.shinchosha.co.jp/book/335532/ 社会派長編小説でしたが、エンターテイメントとしても非常に面白かったです。 なか…

<The 5th Book> 白い人・黄色い人

スタートダッシュしすぎたのか、最後の更新から間が開いてしまいました。 「白い人・黄色い人」(新潮文庫) 著:遠藤周作 https://www.shinchosha.co.jp/book/112301/ 時々はこうした、純文学というのでしょうか、近現代文学を読むようにしています。 本当…