Kanae's Book Journal Occasionally with Movies

読書感想文とときどき映画。

2023-01-01から1年間の記事一覧

<The 65th Book>黄色い家

豪快で壮大なんだけれど、すべてが繊細。 ストーリーは読者を引き込む勢いが凄まじく、登場人物、特に主人公の感情は痛いほど伝わってくるのに、文体が優雅にすら感じられる。 久々に心打たれる小説を読みました。 「黄色い家」(中央公論新社)著:川上 未…

<The 64th Book>おつかれ、今日の私。

30を過ぎて、仕事もプライベートも色々と転機があったりして。 毎日の積み重ねは大したことはなくても、年ごと、月ごと、週ごとに何かしら自分の中で、ちょっとしたイベントはあったりするもの。 そのひとつひとつに一喜一憂したりしながら、日々を過ごして…

<The 63rd Book>世界と私のA to Z

どの世代の人間だから、が言い訳になるわけでも、とある世代生まれの人を一般化するのも、必ずしも良いわけでも正しいアプローチでもないかもしれない。 けれど、名前がつくこと、世代における傾向が見えることで、自分の抱える矛盾や葛藤が可視化されやすく…

<The 62nd Book>嘆きの美女

外見における美醜については、多くの人がパラドックスを抱えて生きているのでは、と思います。 自分のコンプレックスに、やけに向き合わされてしまいました。 「嘆きの美女」(朝日新聞出版)著:柚木 麻子 publications.asahi.com 主人公の池田耶居子はいわ…

<The 61st Book>きれいになりたい気がしてきた

私はまだ若いけれど、それでも歳をかさねて悩みや気になるところは変わってきていることを実感している。 こうして赤裸々に、自身の内外の想うところを語ってくれる人がいるのは、ありがたいことです。 「きれいになりたい気がしてきた」(光文社) 著:ジェ…